第7回 溶接を学ぼう~溶接種類編~
2025年02月14日
前回、ボルト溶接について学んだきゃっぱくん。
今回は、これまで学んできたものも含め、その他の溶接の種類について学んでいきましょう!
【溶接とは】
そもそも溶接とは、金属などの材料を溶かして接合することを言います。代表的な種類はこれまで学んできた「抵抗溶接」や「アーク溶接」があります。
溶接は意外にも我々の身近なものに多用されています。例えば自転車や車、冷蔵庫や洗濯機などにも使用されており、溶接技術は日常生活を送るうえで必要不可欠な技術なのです。
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【様々な溶接方法】
これまで学んできた溶接方法も含め、どんな溶接方法があるか改めて見ていきましょう。
★抵抗溶接
2つの金属を重ね合わせ、溶接したい箇所を電極で挟み電流を流し、同時に加圧をかけます。その際に発生するジュール発熱を利用し、金属同士を接合させる方法です。
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●スポット溶接
抵抗溶接の一種で、金属の板同士を接合させます。
●プロジェクション溶接
抵抗溶接の一種で、ナットやボルトなどの突起物(プロジェクション)を溶かして接合します。
スポット溶接との違いは、接合する金属などの材料に突起物があるかないかです。
●シーム溶接
抵抗溶接の一種で、別名縫い合わせ溶接とも呼ばれます。その名の通り、ミシンのように連続して溶接を行います。円盤状の電極を使用し材料を挟み、タイヤのようにコロコロと回転させ接合させます。
円盤電極は、大きいものだと直径55cmのものも!
高い気密性が求められる製品に使用され、燃料タンクやガス缶などがあります。
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★アーク溶接
空気中の放電現象を利用し、金属同士を接合させる方法です。
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●MAG(マグ)溶接
アーク溶接の一種で、Metal Active Gasの略称です。ワイヤとシールドガスを使用します。
シールドガスとは、溶接中に金属と大気が触れ合うことによって生じる気泡の混じりを防ぐため、ガスを噴出しながら溶接することで金属溶融部を大気から保護するものです。
MAG溶接では、活性ガス(炭酸ガスまたは炭酸ガスとアルゴンの混合ガス)を使用します。主に鉄や軟鋼などの溶接に使用されますが、非鉄金属は炭酸ガスと化学反応を起こすため不向きです。
●MIG(ミグ)溶接
アーク溶接の一種で、Metal Inert Gasの略称です。ワイヤとシールドガスを使用します。
MIG溶接では、不活性ガスを使用します。鉄などの他に非鉄金属の溶接も可能で、MAG溶接と比べスパッター(溶接の際に飛ぶ火花)が少なく綺麗に仕上がります。ですが、他のガス溶接に比べ溶け込みが悪いのが弱点です
●TIG(ティグ)溶接
アーク溶接の一種で、Tungsten Inert Gasの略称です。溶接棒・タングステン電極・シールドガスを使用します。
TIG溶接では、アルゴンなどの不活性ガスを使用します。鉄やアルミなどほぼすべての金属を溶接でき、高品質な溶接が可能です。
デメリットとして、溶接棒を手動で動かす必要があるため作業スピードは下がり、両手操作の為技術が必要です。
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