第6回 溶接を学ぼう~ボルト溶接編~
2024年12月16日
前回、ナット溶接で使われる部品について学んだきゃっぱくん。
今回は、ボルト溶接で使われる部品について学んでいきましょう。
【ボルト溶接用下側部品】
ボルト溶接では、専用の下側部品が多く存在します。

上図は、ボルト打ち電極一体タイプです。
第2回で学んだ、キャップチップとシャンクが一体化している商品と同じように、直接ストレートホルダーに差し込んで使用します。
内側にKCFスリーブ(表面に絶縁被膜を持った金属)が圧入されています。
これは、溶接する際ボルトのねじ部分が下部電極内部に入り込むため、電極部に触れ張り付かないようにするためです。

次に、ボルト打ち電極分離タイプです。一体型同様内側にKCFスリーブが圧入されています。
別途下部電極ホルダーと組み合わせて使用するため、上部分のみの交換で済みます。
ですが、キャップチップは研磨(鉛筆を削るように、古い部分を取り除き元に戻すこと)が可能ですが、こちらの部品はKCFスリーブの被膜が取れるため研磨ができません。
どちらもスリーブの被膜が剥がれた時点で買い替えが必要となり、頻繁に交換する必要があります。
その問題を解決するのが、下部電極サイパーとサイパーチップです。

こちらの部品は、中の絶縁部品であるサイパーにセラミックス(そのものが絶縁体の素材)を用いているため、絶縁性が高く耐摩耗性(削れにくさ)に優れています。
絶縁部品が割れない限り半永久的に使用が可能ですが、割れていることに気づかず不具合が起こる可能性があるため、管理が必要です。
【厚さ3mmのプロジェクション溶接用チップ!?】
当社オリジナル商品として、ナット・ボルト溶接用段付きワッシャー「UFO」があります。

打点位置の3mm部分のみの交換が可能で、捨てる部分が少ないため環境に優しく低コストです。
溶接熱で鈍った部分のみを交換するため、研磨して使用するよりも耐久性が保たれます。
今回はここまで!
次回のコラムでお会いしましょう。