第5回 溶接を学ぼう~ナット溶接編~
2024年09月17日
前回、プロジェクション溶接について学んだきゃっぱくん。
今回は、ナット溶接で使われる部品について、更に詳しく学んでいきましょう。
【KCFとセラミックスのガイドピンを見比べよう】
前回、ガイドピンの役割と素材ごとの違いを学びました。では、実際に写真でその違いを見てみましょう。
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上図はKCFガイドピンの写真です。ご覧の通り、表面がざらついています。
KCFガイドピンは、フェライト系ステンレス合金でできています。この素材は、熱処理を施すと素材の内部から絶縁被膜が生み出されるため、このようなざらざらした表面になります。
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上図はセラミックスガイドピンです。KCFガイドピンとは異なり、表面がつるつるです。
セラミックスは、素材そのものが絶縁体のため被膜が剥がれる恐れがないので表面を磨く工程があります。
表面を磨くことにより摩耗性が良くなり(表面がつるつるになること)、溶接時の作業効率向上に繋がります。
【ナット溶接で使用する上部電極】
上部電極とは、溶接する際の上側の電極のことを指します。
ボルト溶接では、上部電極としてF型チップを使用します。ボルトは頭が平面のため、F型チップとぴったり合わさってずれ無く溶接することができます。
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ですが、ナット溶接の場合、下図のようにガイドピンがナットより突き出ているため平面ではありません。そのため、上部電極としてF型チップを使用するとガイドピンが押され、ナットの位置にずれが生じ不良品になる可能性があります。
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そこで、ナット打ち上部電極を使用します。こちらの商品は、電極の中心にガイドピンの抜け穴が付いており、ガイドピンやナットがずれることなく不良品防止になります。
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今回はここまで!次回のコラムでお会いしましょう。