第4回 溶接について学ぼう~プロジェクション溶接編~
2024年07月22日
前回、スポット溶接で使用する部品の組み合わせについて学んだきゃっぱくん。
今回は、新たにプロジェクション溶接について学んでいきましょう。
【プロジェクション溶接とは?】
抵抗溶接の一種で、ナットやボルトに突起部を設け、その突起と母材間に電流と加圧力を集中し、抵抗発熱を利用して溶融圧接する溶接方法です。この突起物のことをプロジェクションと呼びます。
【各部の名称と組み合わせ(ナット溶接ver.)】
ナット溶接では、下部電極・ガイドピン・下部電極ホルダーの3点で下側一式となります。
上側は、弊社商品である上部電極等を使用します。
【ガイドピンとは?】
ガイドピンとは、その名の通り溶接する際のガイド役のピンで、ナットを溶接する際に使用されます。ナットのプロジェクション溶接の場合、ワークに穴が開いています。
ナットの相方はボルトで、組付け時に使われます。そのため、ワークに穴が必要となり、その穴の中心にナットがあることが望ましいです。
そこで、ガイドピンの出番です。
例として、M6ナットの場合、ワーク穴はφ7.0開いているとします。それに対して、ガイドピンの胴径はφ6.8のものを選択します。穴径の隙間が片側-0.1なので、ほぼ中心と言えます。
こうしてガイドすることにより、ナットがワーク穴の中心で溶接され、その後の後付け工程でボルトの組付けに不具合を起こさないことになります。
ガイドピンは、ナットのガイドが目的のため、電気が流れる材質を使用するとピンとナットがくっついてしまいます。それを防ぐため、ガイドピンは絶縁でなければならないのです。
弊社製品の材質には、「KCF」と「セラミックス」があります。
KCFは、電気絶縁被膜処理をした特殊なステンレス。セラミックスは、非金属の電気絶縁体ですです。KCFガイドピンとセラミックスガイドピンそれぞれの特徴を見てみましょう。
どちらを選択するかは、ナットの種類や母材の大きさ、自動(ロボット)か手動(手打ち)、作業性やコストも含めて判断しましょう。
今回はここまで!次回のコラムでお会いしましょう。