アーク溶接 第108話 アークスタート性を考える(8) 担当 高木柳平
2017年12月18日
ロボット溶接用ワイヤカッター「タマキリ」の紹介
ロボット溶接用ワイヤカッター「タマキリ(FS-TK02)」として当社では商品化し、多くのお客様にご愛顧頂いています。前話に引き続き「タマキリ」の概要を紹介します。
【タマキリ装置の特長】
1)ワイヤ先端球の切断、除去
2)ワイヤを斜め切断できます。
斜め切断機能によってスタート性を大きく改善可能。
3)ロボット溶接ラインにてワイヤの自動切断可能。
4)定位置で切断することで、ワイヤ突出長さを均一化。
★ノズル検知センサ式とコントローラ内蔵式を用意。
また、コントローラ内蔵式の場合、センサと制御BOXは不要。
5)超硬刃採用により、刃の長寿命化。また再研磨可能。
【ワイヤカッター「タマキリ装置」の概要】
写真108-03に「タマキリ装置」本体の代表的外観を示す。
なお、本紹介では紙面の都合上、ロボット仕様+ノズル検知
センサ式(制御付仕様:形式FS-TK02)の説明にとどめます。
入力エア圧0.5~0.6MPaとし、カッターバルブを介してカッタ
ー本体とその先端に装着されたカッター刃を作動させます。
一方カッター刃は傾斜させて据付が可能となっており、ほぼ垂
直にカッター刃内に挿入されたワイヤが斜め切断可能となりま
す。斜め切断ワイヤの外観例を写真108-01、02に示す。
なお、カッターのON-OFF制御は付属の制御ボックスにて行います。
図108-01にみるように、ロボットにより切断位置に移動して
きた溶接トーチ、ここでは溶接ノズルをセンサーが検知し予め
設定された「カッターON遅延時間」後、「カッターON時間」
カッターバルブをONとし切断作業を行います。
なお、制御ボックスを付属させない、制御なし仕様の、設備側
コントローラ等で制御する仕様の形式FS-TK02Sも併せてご用意
しています。
スタート性能が直接溶接品質を大きく左右する、手直しが出来ない、付着スパッターの処理が困難なステンレス溶接製品などの対象に効果を発揮します。
是非ともご検討ください。
次話では「スタート部の余盛高さとビード外観」に関し考え方を説明します。
以上。