品質管理技術 第4話 ナット溶接不良の撲滅 担当 津守正己

2015年01月06日

明けましておめでとうございます。
 旧年中は格別のご厚情を賜り、誠にありがとうございました。本年も変わらぬお引き立ての程よろしくお願い申し上げます。

■ ナット溶接不良はメーカーにとっては重要品質問題です

  自動車の組立ラインでは、多くの人達がインパクトレンチ片手に手際よく部品を結合していますが、その先には必ずナットがあります。それに比べ部品のモ ジュール化やクリップ化が進みボルトは減りましたが、やはり主役はボルト×ナットでの結合です。そのナットの殆どは、2次・3次の協力仕入先で溶接される ケースがほとんどです。

 ナット溶接不良が重要問題となるのは、発見されるのが組立ラインであり既にボディーはキレイに塗装されている為にナット1個の手直しでも容易ではないからです。

 ナット欠品なら必ず発見されますが、サイズ違い等は市場へ流出する可能性もあります。特に袋内のナットでは手直し出来ず車両廃却となり、シートベルト(ユニファイネジ)ならリコールにもつながり、ナット溶接不良に悩む会社が多いのです。

 

■ ナット溶接不良を発生させない方策とは?

  この様なナット溶接不良を撲滅させるにはどうすればよいのか? 特効薬は有りませんが、まずは職場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)です。2S(整理・整 頓)すら不充分な職場に不良が多いのは確かです。床にナットが散乱している職場では必ず不良が出ます。毎日終業時に床のナットを集めビニール袋に入れ日付 を記入して吊り下げておくだけでナットに対する意識も変わります。ナットにも原価があり、工数のロスも発生しているのです。

 ポカヨケ(当 社ではナットテスター)を設置しても、その使い方が雑だと宝の持ち腐れです。ポカヨケがNGを出した時、リセットを行えばすぐに作業は再開できますが、 チョコチョコとNGを出す場合は工程の完成度が低いのです。すぐに改善が必要です。そうしなければオペレータは、ポカヨケをOFFにしてしまいます。ポカ ヨケは、工程改善の為にあるのです。

 また、ナットフィーダーにナットを入れ間違うことも多くあります。拾い込み防止も含め必ず蓋を開け正規のボルトを固定し、投入時は必ずボルトを通し確認する様にしましょう。

 更に、袋を開封すれば全て投入し袋に残さないようにします。その為には袋の適正化も必要です。

 ナットの一時置き場では類似ナットを隣接して置くのは危険です。

 

■ 最後に最重要なのは

 ナット溶接不良を発生させない人は通電時に目線をナットから離しません。目線を外している人は必ず不良を作ってしまいます。溶接の基本知識を教育すると共に、何があってもナットから目を離さない集中力を鍛えましょう。

参考)
一般に人間が集中力を維持できるのは2時間と言われていますが、車の運転でも2時間走行すればサービスエリアで休憩するのが常識です。

 

№Q004

← 前の投稿へ 次の投稿へ →

 

「溶接技術だより」へのお問い合わせ・ご意見・ご感想などは、こちらからお気軽にお寄せください!

【この記事を印刷する】