アーク溶接 第7話 アーク溶接関連商品の紹介(1)GFライナー 担当 高木柳平

2015年01月06日

 皆様、新年おめでとうございます。本年も、昨年に引き続き溶接技術だよりを通して皆様に「アーク溶接技術の実際」をお届けして参ります。何卒ご愛顧賜りますようよろしくお願い申し上げます。

 さて、ワイヤ送給系は主に、パック巻き溶接ワイヤ~1次側コンジット(ライナー)~ワイヤ送給装置~2次側コンジット~溶接トーチの経路があります。今回はそれらの中で1次側コンジットについて説明します。1次側コンジットに求められることは、第1にパックと送給装置間のワイヤ送給をスムーズに行う助けをすることです。1次側コンジットにおけるワイヤは送給装置からみると引っ張り側のため内径を大きくできる利点があり、GFライナーは高強度樹脂チューブで、サイズは内径4φ×外径8Φと大きい。第2は、送給ワイヤにキズを付けず、メッキ剥離を生じさせないことが大切で、従来の鋼線製コンジットに比較して摩擦抵抗が小さく、送給通路のメッキカスなどの詰まりも半透明のため可視化しやすいことが特長として挙げられる。一方取扱いの要点としては1次側コンジット部で「引出し抵抗を大きくさせないこと」および「引出しワイヤの線ぐせを良好に保つこと」の2点がとくに必要です。引出し抵抗が大きくなる例は、図にみるように山谷が大きく形成されたり、捩りが入るような引き回し方の場合であり極力避けて下さい。バネばかりで約2.0kg以下の引き出し荷重に抑えることが望ましい。

 線ぐせについては送給装置への入り口側でコンジット、ライナーを1ターンでも巻かないことが 必須条件となります。線ぐせが悪く、送給ワイヤに捩じれが入るととくに4WD送給装置の入り口側ローラ部では、ローラ溝を脱線し、ガイド部品に擦れ、過剰 なメッキ剥離を生じ決定的な送給不良につながりやすい。また、ライナーが溶接中に搖動したり振動することは避けて下さい。アークを不安定にします。GFラ イナーなどの樹脂チューブは軽量のため、鋼製コンジットに比べこれらの点でも優れています。

 

A007-01
▲ 図007-01(図をクリックすると新しタブが開き拡大表示します)

 

№ A007

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