品質管理技術 第1話 「みえる化」は改善の原点です! 担当 津守正己

2014年10月22日

 品質管理(TQM)技術を担当しております開発技術部の津守正己と申します。

 仕事柄、ものづくりの現場へ出かける機会が多く、家内工業に近い零細企業から中小企業・メーカーと企業規模も様々で、扱っている製品も、電気・自動車関係等々、これもまた種々多様!

 つくり方も種々多様で、どれが良くて、どれが悪いかではなく、こんなやり方もあるのかと感心する場面もあって、これも楽しい。

 例えば、小さな部品にプロジェクションナット1つ溶接する作業1つとっても、ナットフィーダーも使わず全て手作業で行う現場もあれば、全自動での無人工程もある。

 これも受注部品が少量多種か、多量少種か、また、経営者や現場の考え方等々もあって、どこも現状では最善のやり方で操業していると理解しているが、1つ気になるのは、現場の2S(整理・整頓)。設備は古くとも、現場が整理・整頓され、油漏れも水漏れも無い現場で働いている人達は楽しそうでイキイキしている様に見える。逆に設備・道具は新しくても2Sが雑で設備も汚れていれば、ここの品質は大丈夫かと心配してしまう。

 そろそろ「みえる化」の話に入りましょう。私は時々、現場で「何か問題はありませんか?」と何となく聞いてみるが、「特に問題はありません」と答える会社が多くある。この様な会社に共通するのは、どこを見ても、仕事の遅れ/進み・品質の実績等、何も掲示物が無い。外部からの訪問者どころか、そこで働いている人にも現状が何も見えていないのではないか…と心配になる。何も見えなければ問題の無いのは当然で、改善活動の必要性も生じない。

 昔ある会社で5工程のミニラインを見たが、ライン上に本日のシグマCT目標○○○秒(昨日より○秒改善)と、手書きで掲示されていた。これはレベルが高すぎる。

 2時間毎の生産個数の目標と実績、それに品質は、不良率よりも、最低限、同じく2時間毎の不良個数を「みえる化」しておけば、それだけで改善は進む。1ヶ月毎のグラフを掲示していても過去には戻れない。2時間毎ならその日の内に改善は可能である。

 要するに「みえる化」が改善の原点であり、「みえる化」無くして改善は無い!

 最後に、今年10年ぶりにマイカーを乗り換えたが、瞬間燃費・平均燃費・アクセル開度等々、これでもか!と「みえる化」されており急発進・急加速は自然と減少!

 これこそ「みえる化」による燃費改善のわかりやすい事例。

 今度は、機会を見て、工程内不良「0」の話をしましょう。

 

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