品質管理技術 第3話 工程内不良「0」への挑戦 担当 津守正己

2014年12月17日

 第1話「みえる化」は改善の原点です! の中で製造品質について少しふれましたが、品質を甘くみて消えて行く企業も少なくありません。

 

■ 不良品を流出させると信用も流出します

  自動車部品を例にしますが、自動車メーカーで発見される部品不良を部品製造側は「流出不良」と呼びます。これを発生させると在庫品の選別を行う必要が発生します。また、現地へ呼び出され、叱られ謝り、再発防止資料の作成、挙げ句の果てには調達部署から評価点まで下げられる厳しいものです。

 

■流出防止で不良はとまりません

 この流出不良を「0」にしようと人を投入し全数目視での出荷検査を行っても所詮人がからめばミスもあり流出不良は、それほど簡単に止まるものではありません。

 

■工程内での手直しは不良を隠します

 流出不良を「0」にする近道は「急がば回れ」です。部品を製造する工程内に検査工程を設け良品のみを次工程へ送ります。それも工程間に中間在庫をもたないように1個づくりを行えば、たとえ不良が出ても1個ですみます。

 板金工程であれば多くとも4~5工程と思われます。工程毎の不良をみえる化すれば、不良の出ない工程と多く発生する工程が見えてきます。この不良が多く発生する工程を「ネック工程」と呼び「ネック工程」のカンバンを掲げれば改善も進みます。

 不良品を工程内で手直ししてしまえば不良がみえなくなります。「臭いものに蓋」の発想です。

 

■標準作業と手直し作業の明確化

 工程内での検査工数は標準作業としてST(標準時間)に入れますが、手直し工数は品質損失コストとしてカウントします。

 標準作業と手直し作業が曖昧では、改善が全く進みません。

 効率上どうしても工程内での手直しが必要なら「手直し工程」とカンバンを掲げ、ここで見つけた不良は不良部位・不良名・個数をイラスト等でみえる化します。

 

■工程内不良が目にみえて減少すれば

 この様にして工程内不良「0」を達成すれば、最終工程へ不良品は流れて来ませんから当然検査も必要ありません。

 こうなれば管理・監督者の皆様も、やっと夜おいしいお酒が飲めます。

 トヨタ自動車ではこれを「完結工程」と呼びます。不良「0」でないと「カンバン方式」は成立しません。

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